「今日もまた随分と可愛らしいな。」








またこの人が来た。















私の家は花屋さん。

小さいからあまりお客さんは来ないけれど・・・。

でも最近、常連さんが出来ました。

・・・・・・・・・・花が目的じゃないようだけれど。

その人はいつも部下を1人連れてやって来ます。

今日は晴さんみたい。







『そりゃ毎日お世話してますから。』





私は彼が選んだ花をラッピングしながら言った。







「いや、花も可愛らしいのだが今のはの事を言ったのだぞ?」





そんな事は分かっている。

だって彼は3ヶ月ほど前から毎日私を口説きに来るから。

こんな暇人がこの町の治安を守っているなんて信じられないわ。





「あら、またいらしてたんですか?」

「こんにちはお義母様。」

「毎日毎日こんな店に来てくださってありがとうございます〜。」






いつの間にかママとも仲良くなってるし。(お義母様ってなんだお義母様って!!)






『どうぞ。』





ラッピングし終わった花を彼に渡す。



「ふむ、綺麗だな。」

『ありがとうございました、マタオコシクダサイマセー。』

「まだ、帰るとは言っていないが・・・・・。」

『いやだわジョットさん、私はマニュアル通りの接客をしているだけですよ。』







彼は眉を下げ小さく溜息を吐くと、失礼すると一言言って店を出て行った。






『(・・・・・・・ほっぺにガーゼしてた、やっぱり彼は、)』


















翌日、空は大雨。

こんな天気の日はお客さんが余計来なくて暇だ。





水やりをしてからレジの前に座り、読みかけだった小説を開く。












集中しているとあっという間に時間は過ぎ、時計を見ると閉店時間だった。










『結局1人も来なかったなー。』



あの人も。











窓から外を覗くと、朝よりも雨は強くなっていた。





『・・・・・・・・掃除しなきゃ。』















カランカラン





箒を持とうとすると、扉に掛けてあるベルが鳴った。










『すみません、もう閉て・・・・・・・・・。』

「ちゃお。」








振り向くとそこにはいつもの彼と部下さん。









『こんばんは雨さん。』

「どーも!」

「私は無視か、必死で仕事を終わらせてきたというのに。」







こんな暇人でも一応仕事はやってるんだ。








『今日も花買いに来たんですか?』

「それとに会いにな。」

『なるべく早くお願いしますよ。』

「相変わらず素っ気無いな。」

『さっさと店閉めたいんで。』

「そんなにムスッとしていたら可愛い顔が勿体無いぞ?」

『話してないで早く選んでください。』

「まぁそんな顔も好きだがな。」

『いい加減にしてください!』







彼の顔を見ると驚いているようだった。






?」











『毎日毎日来る度に人の事可愛いだとか好きだとか、おちょくってるんですか!?』

「な、私は本当にっ」

『あなたみたいな人なら女なんて周りに腐るほどいるでしょう!?迷惑なんです!帰ってください!!』

「待っ、」

『早く!!!』









彼は私を見つめていたが少し経って踵を返し出て行った。








店内には雨音だけが鳴り響く。

しばしの沈黙の後、雨さんが口を開いた。













「・・・・・・・そこまでアイツの事嫌いなのか?」

『・・・・・・・・・・・・・・・・・。』

「アイツは本当にの事好きなんだぜ?」

『知ってます。』









彼の真剣な瞳を見れば本気だってことは分かる。

本当は嬉しかった。

毎日諦めずに会いに来てくれることが。

迷惑だなんて思った事は一度もない。

だけど、










『彼はマフィアだもの。』








「・・・・・・確かに、俺らは殺人だってするけど、」

『違うんです!』













人を殺すから嫌って意味じゃない。

彼らは私達を守るために戦ってくれてるだから。

寧ろその事を誇りにも思う。












でもマフィアなんて、
















『いつ死んでしまうか分からないじゃない。』













彼を失う覚悟なんて、私に到底出来ない。






「アイツはそんな弱くねーぜ?俺ら守護者だっているしよ。」

『・・・・・・でも、昨日ガーゼしてました。』





今度はそんな怪我じゃ済まないかもしれない。







『ごめんなさい、1人にさせてください・・・・・・・・。』

「・・・・・ごめんな。」























その日は明け方までずっと部屋で泣いてた。




あんな酷い事を言ったんだ、もう彼がこの店に来る事はないんだろうな・・・・・。





















『・・・・・・・よし!目の腫れもだいぶ引いたし、開店準備だ!』






今更後悔したって仕方がない。

ならば仕事に集中して忘れよう!





『今日も1日頑張るわよー!』

「気合が入ってるな。」

『そりゃーモチロ、って・・・・・・・・・・・。』





いつの間にか目の前には彼が居た。




『じょっとさん!?な、んで、』






昨日あんな事言ったのに、何でここに?

もしかして昨日の事は夢、な訳ないよね・・・・。










『(あ、指輪・・・・・・。)』







彼の手を見ると、いつも嵌めている指輪が今日は無かった。

その代わりに彼の後ろには大きなキャリーバッグ。









『あの、今日は一体・・・・、』

「私は今日から沢田家康なのだ。」

























『は、い?』









意味が分からない。

何故急に名前の話?







「日本に発とうと思ってな。」

『え、日本・・・・・・?』








「私はマフィアを辞める。」







えぇ!?

どうしていきなり・・・・・・・、もしかして、









『雨さんから聞いたんですか!?』

「あぁ。」

『いや、あれはなんていうか、本当なんでもないですから!』





ど、どうしよう!これ私のせいだよね!?

私が慌てていると不意に腕を掴まれた。







。」












「私と共に日本で暮らさないか。」































「懐かしいな。」

『本当ね〜、あの出来事は一生忘れないわ。』

「あの、そろそろ俺戻っていいですか・・・・・・?修行あるんで・・・・・・・・・・。」

「まだ試練は終わってないぞデーチモ。」

「そんな・・・・・・。」

「歴代ボス全員が通ってきた道だ。」

『でね、あれから2年後に息子が生まれてね、』

「(帰りたい・・・・・・。)」








Per Lei













黒アリス様、大変遅くなってしまい申し訳ありません!

ツナが業を受け継ぐ試練の時に2人が惚気話をしている感じにしたかったのですが、文才が足りないため上手く書けず・・・orz

書き直しいくらでもしますのでなんなりと言ってください!

こちらこそ相互ありがとうございます!

これからもよろしくお願いします!!